「残暑見舞いっていつ出せばいいの?」「“晩夏”ってどんな意味?」そんな疑問を感じたことはありませんか?
この記事では、残暑見舞いを出す時期のマナー、晩夏の意味と使いどころ、そしてビジネス・友人・親戚などシーン別に使える豊富な例文を、すべて網羅的に解説しています。
さらに、「暑中見舞いとの違い」や「9月に入ってしまったときの対処法」など、見落としがちなポイントも徹底カバー。
はじめての方でも迷わず書けるように、実例つきで丁寧にまとめています。
この記事を参考に、季節の終わりを彩る一通を、あなたらしく届けてみませんか?
残暑見舞いと晩夏の基本知識
「残暑見舞いってそもそも何?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この章では、残暑見舞いの意味や目的、そして「晩夏」との関係について、やさしく丁寧に解説していきます。
まずは基礎知識を押さえるところから、一緒にスタートしましょう。
残暑見舞いの意味と役割
残暑見舞いとは、夏の終わりに向かう時期に、相手の健康を気遣い、近況を伝えるためのお便りです。
暑さが残る中での「思いやりの便り」ともいえますね。
挨拶の種類 | 送る時期 | 主な目的 |
---|---|---|
暑中見舞い | 7月上旬〜8月上旬(立秋前) | 夏の盛りに相手の体調を気遣う |
残暑見舞い | 8月上旬(立秋後)〜8月末 | 夏の終わりに向けて感謝や気遣いを伝える |
残暑見舞いは、暑中見舞いを出しそびれた場合や、お中元のお礼にも使える便利な挨拶状です。
「晩夏」の意味と時期
「晩夏(ばんか)」は、夏の終わりを指す言葉で、残暑見舞いの季語としても使われます。
具体的には、立秋(8月7日ごろ)から秋分(9月23日ごろ)までの時期が該当し、8月下旬から9月初旬に使うのが一般的です。
用語 | 時期 | 特徴 |
---|---|---|
晩夏 | 8月下旬〜9月初旬 | 夏の終わりの情緒を表す |
初秋 | 8月中旬〜9月上旬 | 秋の入り口を感じさせる季語 |
残暑見舞いの末尾や日付に「晩夏」「初秋」「葉月」などを添えると、季節感がぐっと増します。
暑中見舞いとの違い
よく混同されがちなのが、暑中見舞いとの違いです。
ポイントは「出す時期」と「季語」です。
種類 | 送る時期 | 使う季語 |
---|---|---|
暑中見舞い | 7月7日〜8月6日頃(小暑〜立秋前日) | 盛夏、猛暑、酷暑 |
残暑見舞い | 8月7日〜8月31日(立秋〜月末) | 晩夏、初秋、葉月 |
暑中見舞いは「夏真っ盛り」に、残暑見舞いは「夏の終わり」に送る、と覚えておくと良いでしょう。
残暑見舞いを送るベストタイミング
残暑見舞いを送る時期は、暦や地域によって微妙に変わるもの。
「いつ出せば失礼じゃない?」「9月になっても大丈夫?」と迷ったことはありませんか?
この章では、残暑見舞いに最適な時期と、晩夏との重なり方、そして9月以降の対処法まで、まるっと解説します。
暦の基準(立秋~8月末)
残暑見舞いは立秋(2025年は8月7日)から8月31日までに出すのが基本です。
この期間は、暦の上では秋に入っているものの、気温はまだまだ夏のままですよね。
そんな「暑さが残る時期」に、相手の体調を気づかうのが残暑見舞いの目的なのです。
区分 | 時期 | 出す便り |
---|---|---|
暑中見舞い | 〜8月6日(立秋前) | 暑さの真っ盛りに送る挨拶 |
残暑見舞い | 8月7日〜8月31日 | 秋の始まり〜夏の終わりに出す気づかい |
晩夏と重なる期間
「晩夏」は8月下旬〜9月初旬にあたるため、残暑見舞いと時期が重なります。
この時期に便りを出す場合、日付欄に「2025年 晩夏」や「葉月」と記すと、季節の趣が感じられて◎。
表現 | 読み方 | 使いどころ |
---|---|---|
晩夏 | ばんか | 8月下旬以降の締めにおすすめ |
葉月 | はづき | 8月を表す旧暦。季節感あり |
初秋 | しょしゅう | 秋の始まりを示す上品な語 |
晩夏という言葉を添えることで、自然と温もりや余韻が伝わる一通になりますね。
9月に入った場合の対応
「出すのをうっかり忘れて9月になっちゃった…」という方、ご安心ください。
9月7日(処暑の末)まではギリギリ残暑見舞いとしてOKです。
ただし、それ以降になったら「秋のご挨拶」に切り替えるのがマナー。
状況 | 対応方法 | おすすめの挨拶表現 |
---|---|---|
9月1日〜7日 | 残暑見舞いとして出す | 「残暑お見舞い申し上げます」 |
9月8日以降 | 秋の便りに変更 | 「新涼の候」「秋風が心地よい季節となりました」 |
9月上旬までならセーフですが、なるべく早めの投函を心がけましょう。
残暑見舞いの書き方・構成
残暑見舞いにはある程度の「型」がありますが、そこに自分らしい気遣いや表現を加えることで、グッと印象が良くなります。
この章では、基本の構成やおすすめの季語、文例をたっぷり紹介していきます。
基本の書き出し(例文3種)
まずは定番の書き出しフレーズ。どれも冒頭に使いやすく、シーンを選びません。
フレーズ | 使える場面 |
---|---|
残暑お見舞い申し上げます。 | 全般的に使えるスタンダードな書き出し |
立秋とは名ばかりの暑さが続いております。 | 丁寧な印象にしたい時に |
暦の上では秋ですが、厳しい暑さが続いております。 | ビジネスや目上の方への挨拶に最適 |
本文に盛り込みたい内容(例文3種)
中盤には、自分や家族の近況、相手への気づかい、御礼などを柔らかく盛り込むと良いでしょう。
内容 | 例文 |
---|---|
近況報告 | 私どももおかげさまで元気に過ごしております。 |
相手への気遣い | まだまだ暑さが続きますが、お体を大切にお過ごしください。 |
お礼・お返し | 先日は心のこもった暑中お見舞いを頂き、誠にありがとうございました。 |
形式を守りつつ、自分の言葉で伝えるのがポイントです。
結びや日付の季語表現(例文3種)
最後の結びや日付欄には、季節を感じさせる言葉を入れるとより丁寧な印象になります。
表現 | 意味・使い方 |
---|---|
2025年 晩夏 | 夏の終わりを感じさせる定番の結び |
葉月 | 旧暦で8月を表す言葉。格式高い印象 |
初秋 | 9月初旬にも使える落ち着いた季語 |
日付は正確な日付でなくてもOK。
季節感を伝えるために、こうした表現を活用しましょう。
シーン別の文例集
ここでは、実際に使える「残暑見舞い」の文例を、シチュエーション別に3パターンずつご紹介します。
相手との関係性に合わせて、そのまま使えるフレーズばかり。コピペしてアレンジしてもOKですよ。
ビジネス向け例文(フォーマル)
用途 | 文例 |
---|---|
基本形 | 残暑お見舞い申し上げます。 暑さ厳しき折、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。 2025年 晩夏 |
取引先への御礼 | 残暑お見舞い申し上げます。 先日はご丁寧なご対応を賜り、誠にありがとうございました。 引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 2025年 葉月 |
役職者宛て | 残暑お見舞い申し上げます。 立秋を過ぎたとはいえ、なお暑さ厳しい日が続いております。 ○○部長様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 2025年 初秋 |
家族・友人向けカジュアル例
用途 | 文例 |
---|---|
子ども向け | 残暑お見舞い申し上げます。 夏休みは楽しんでいますか? 宿題は終わったかな?水分たくさんとって元気に過ごしてね。 2025年 晩夏 |
友人向け | 残暑お見舞い申し上げます。 暑さが続くけど、体調崩していないかな? 涼しくなったらまたお茶しようね! 2025年 葉月 |
親戚向け | 残暑お見舞い申し上げます。 先日は帰省中にお世話になり、ありがとうございました。 季節の変わり目、どうぞご自愛ください。 2025年 初秋 |
遅れてしまった場合の例
用途 | 文例 |
---|---|
9月上旬(ぎりぎり残暑見舞い) | 残暑お見舞い申し上げます。 ご挨拶が遅くなり失礼いたしました。 夏の疲れが出やすい時期ですので、くれぐれもご自愛ください。 2025年 初秋 |
9月中旬以降(秋の挨拶) | 新涼の候、いかがお過ごしでしょうか。 ご無沙汰しており申し訳ありません。 今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。 2025年 長月 |
遅延お詫び込み | 残暑お見舞いが遅くなり申し訳ありません。 秋の訪れを感じる今日この頃、ますますのご健勝をお祈りいたします。 2025年 晩夏 |
お中元・暑中見舞いをいただいた場合のお礼例
用途 | 文例 |
---|---|
お中元のお礼 | 残暑お見舞い申し上げます。 このたびはお中元の品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。 お心遣いに心より感謝申し上げます。 2025年 晩夏 |
暑中見舞いのお返し | 残暑お見舞い申し上げます。 暑中お見舞いをいただき、誠にありがとうございました。 残暑厳しき折、ご健康に留意されますようお祈り申し上げます。 2025年 葉月 |
両方へのお礼 | 残暑お見舞い申し上げます。 このたびはお心のこもった暑中見舞いとお中元の品を頂戴し、厚く御礼申し上げます。 ご家族皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。 2025年 初秋 |
残暑見舞いマナーと注意点
形式ばった印象のある残暑見舞いですが、基本的なマナーさえ押さえておけば、気軽に送れる「心づかいの一通」です。
ここでは、送り先や文面で気をつけたいポイント、暑中見舞いとの違い、イラスト選びの工夫などを見ていきましょう。
相手や関係性に応じた配慮
送る相手に応じて、言葉づかいや表現に注意を払いましょう。
特に目上の方やビジネス相手には、丁寧で控えめな表現を心がけるのが基本です。
相手 | 配慮ポイント | 避けたい表現 |
---|---|---|
目上の方 | 「お伺い申し上げます」など謙譲語 | カジュアルすぎる語尾(〜ですね) |
親しい友人 | 季節感+体調への気づかい | ビジネス調の硬い文面 |
取引先 | 会社全体への健康・繁栄への祈り | 個人的な近況の書きすぎ |
相手の立場を想像しながら書くことで、より伝わる文章になります。
暑中見舞いとの混同を避けるポイント
残暑見舞いは「夏の終わり」、暑中見舞いは「夏真っ盛り」という違いがあります。
文章や季語の使い方を間違えると、かえって失礼にあたることもあるので注意しましょう。
要素 | 暑中見舞い | 残暑見舞い |
---|---|---|
送る時期 | 7月7日〜8月6日頃 | 8月7日〜8月31日頃 |
冒頭表現 | 暑中お見舞い申し上げます | 残暑お見舞い申し上げます |
日付の季語 | 盛夏 | 晩夏、初秋、葉月 |
うっかり「盛夏」と書いてしまうと暑中見舞いになってしまいますので要注意です。
デザイン・イラスト選びの工夫
はがきのデザインやイラストも、相手への印象に大きく影響します。
残暑見舞いでは「涼しさ」や「落ち着き」を感じさせるモチーフを選ぶのが鉄則です。
モチーフ | イメージ | 使いやすい場面 |
---|---|---|
金魚・うちわ・風鈴 | 涼しげで日本の夏らしい | 全般に使える定番 |
ペンギン・シロクマ | ユーモアと涼しさを演出 | 親しい相手や子ども向け |
朝顔・ひまわり | 季節感はあるがやや暑中寄り | 8月上旬までに限ると◎ |
9月近くになったら、葉や秋草のモチーフなどを使って「秋の気配」を伝えるのも素敵ですね。
まとめ
ここまで、残暑見舞いと晩夏の挨拶について、時期や書き方、例文まで詳しく見てきました。
最後に、本記事の要点をギュッと振り返っておきましょう。
残暑見舞いと晩夏のタイミングを押さえる
残暑見舞いを送るベストな時期は8月7日(立秋)〜8月31日まで。
晩夏という季語は8月下旬〜9月初旬を指すため、時期が重なります。
9月に入っても、遅くとも処暑(9月7日ごろ)までであればマナー違反にはなりません。
季節感と気遣いを添えた一通の効果
気温や季節の移ろいを意識した言葉づかいで、相手に「自分のことを思ってくれたんだな」と感じてもらえるのが、残暑見舞いの魅力。
特に「晩夏」や「初秋」などの季語を添えた挨拶文は、文章に風情と深みを与えてくれます。
ポイント | 実践例 |
---|---|
時期に応じた挨拶を使う | 8月→残暑お見舞い、9月→秋のご挨拶 |
文末に季語を添える | 晩夏、葉月、初秋など |
相手を気遣う表現を忘れない | 「ご自愛ください」「夏の疲れが出ませんように」 |
心を込めて、あなたらしい一通を
手紙は形式だけではなく、「気持ち」が何より大切です。
完璧な文章でなくても、あなたの言葉で季節の気配と心配りを伝えれば、きっと相手の心にも届くはず。
今年の夏の終わりには、ぜひあなたらしい残暑見舞いを届けてみてください。